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リーン開発の現場からはじめるアジャイルとリーン #book #agile

CodeIQの中の人、hnanami です。

今回は、『リーン開発の現場 カンバンによる大規模プロジェクトの運営』の翻訳者である、市谷聡啓さん、藤原大さんから寄稿いただきました。

本書掲載の「監訳者まえがき」を公開中

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アジャイルブームに気をつけろ!

ソフトウェア開発の世界は、変化の激しい特殊な世界に思えます。雑誌の表紙を眺めていると、そのときの流行り廃りがよくわかります。アジャイル、クラウド、チームビルディング、マネジメント、ビッグデータ・・・。

かわるがわる登場する言葉が「踊って」いますが、これだけで「リーンな現場」を想像できる人はどれぐらいいるのでしょうか? 「アジャイルな現場」を思い描けますか?

『リーン開発の現場』はXP(エクストリーム・プログラミング)を世に送り出したケント・ベックの言葉にあるように「物語」しか書かれていません。一部詳細な説明もありますが、本書の背骨となる部分は「物語」です。

著者であるヘンリックは本書において、物語を話すことでアジャイルやリーンの大局感やその背景にある基盤を説明しようしています。このアプローチのせいか本書には独特な雰囲気があり、読み手を引き込んでいきます。

アジャイルもリーンも怖くない

アジャイルな開発を目指すために必要な技術やプラクティスは、年々一般的になってきました。情報にアクセスしやすい分、積み上げられた情報量がハードルになってしまう現象が発生します。しかし、慌てる必要はありません。

『リーン開発の現場』は、はじめての方でも心配しなくていい本です。
「~すべきだ」「必ず~だ」「全員で~」といった決まり文句ではなく、著者の経験と実践した内容だけが書かれています。そこには成功もあれば失敗もあります。まだ実験している段階のものもあります。

もし、あなたが現場改善に悩んでいたり、アジャイル開発に興味を持っていたり、リーンに期待をしていたりするならば、きっとヘンリックが書いた実践が役に立ち、そのアイデアに共感するはずです。

だが、現実と理想のギャップはうまらない

ある後輩がこんなことを言っていました。

「アジャイルコーチを呼んでコーチやトレーニングしてもらったけど、結局何もできなかった」

いくら「アジャイル」が優秀な道具であっても、優秀なコーチがそれを教えたとしても、理想と現実のギャップは簡単には埋まることはありません。むしろ、埋まらないほうが多いんじゃないかと周りを見ていて思います。

「革命」や「改革」のような派手な言葉が先行し、言葉への期待が高まりすぎると、それがまたハードルを生み出します。良かれと思ったサポートなのに、現場で理解されず壁が生まれる・・・まぁ、よくある話です。

そしてしばらくしてから、『リーン開発の現場』の話をしたときにこんな感想をくれました。

「話を聞いて、理想にむかってちょっとずつ向かっていけばいいんだと安心しました」

そういった彼は、現在ちょっとずつ理想と現実のギャップを埋めようと努力をはじめています。これは大きな一歩です。

現場が大好きだ

世の中には様々な現場があります。「コンテキストに依存する」ため、試行錯誤が必要で自分たちにあったものを見つけ続ける必要があります。しかし、「コンテキスト」という言葉が登場するたびに思うのが、それぞれの状況は違えど、そこにはユーザーがいるはず。

ユーザーには解決したい問題があったり、これまでにない価値を求めてたりします。取り巻く状況は違ってもユーザーに価値を提供しようとする姿勢は変わらないはずです。

だとすれば、その真摯な姿勢を維持したり、素早く提供してフィードバックを得たり、開発を安定させるためにプラクティスを活用したり・・・。共通の言語としてアジャイルやリーンがあればとても便利です。だって、同じような悩みを持ち、同じような価値観を持った人と、共に悩み共に考えることができますから。

『リーン開発の現場』を日本の現場に届けられるのをうれしく思います。そして、アジャイルでリーンな現場で、すばらしいソフトウェアが生まれることを祈っています。一歩踏み出したら自信を持ってこう考えてみましょう。

「私はアジャイル実践者だ」と。
(藤原大)

ありたい姿に向い続ける

「理想とはたどりつくべき場所のことではなく、ありたい姿に向かい続けることなんだ!」

リーン開発の現場で私が最も大事にしている言葉です。この言葉を原著で発見し、日本語に置き換えられたとき、この本を早く日本の読者に届けたいと思うようになりました。ソフトウェア開発とともにあるための姿勢を簡潔にかつ十分に述べています。

現場では様々な状況に遭遇します。その度に私たちは多くの選択肢に囲まれながらより良い方向へ向うための意思決定を繰り返しています。そんな中で、私たちの拠り所となるのは何でしょう。多くのプラクティスを知っていることでしょうか。知識だけで立ち向かうには現場の課題はあまりにもしたたかです。私たちはその時々の状況を把握し、何が制約かを理解し、真の課題を捉え、試行錯誤の中から最も効果的な手を探すことが求められます。学びと改善を重ねる姿勢が現場を一歩一歩前進させる拠り所となると思います。

自分たちの仕事として、成果として、現場として、こう「ありたい」という理想があるからこそ、そこに向う道中の障害を発見し乗り越えることができます。もっと変更に耐えられるソフトウェアにしたい、もっとサービスを支えられる基盤を作りたい、もっとユーザーに喜んでもらいたい。現場を前進させるガッツとパッションを支えるのは、こうした自分の思いではないでしょうか。

『リーン開発の現場』は塹壕にいる私たちに、前進する勇気をきっとくれることでしょう。
(市谷聡啓)

リーン開発の現場 カンバンによる大規模プロジェクトの運営

リーン開発の現場 カンバンによる大規模プロジェクトの運営

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